来世は他人がいい2巻
小西明日翔(講談社・アフタヌーンKC)
1巻読んで、すぐに続きが欲しくなりコミックサイトで購入。
その場ですぐに入手して、すぐに手軽に読める。便利な世の中になったものです。
吉乃と霧島の周囲で何かが起こっているという感じで終わった1巻ですが、この漫画はエピソードより2人の関係が完全メイン。
事件は2人の関係が多少なりとも動くきっかけに過ぎませんでした。
【あらすじ】
赤座興業の一件の後、大阪から吉乃の「家族」鳥葦翔真(とりあし・しょうま)がやって来る。吉乃を挟んで、霧島と一触即発…?
新しい登場人物が出てきます。
(別の機会に触れますが、吉乃と彼の出会いが描かれた番外編があるくらいなので、間違いなく重要人物。そちらを先に読んでいる方の中には、吉乃×翔真派が存在するようです^ ^)
巻後半のサブタイトルは「地獄の三角関係」。
霧島とはまた違ったイケメンなので、読者に派閥ができるのも頷けます(が、私はブレずに霧島派ですけど)。
【感想】
もう霧島が可愛いとしか思えない。
(本文からまともな感想じゃなくてごめんなさい)
1巻の初読で疑った吉乃への恋心は、本物だと疑いようがないどころか、予想以上に無垢。
吉乃曰く「飾り気がないからブレもない」ので、態度も言葉もどストレート。
だから行動の動機は分かるのですが、行動自体(GPSで居場所を常に把握、勝手に合鍵作って部屋に侵入etc.間違いなくストーカー)は、相当ヤバいはずなのに。
一言で片付ける吉乃が凄い。
吉乃が怒りつつもサラっと受け入れているので、これらの奇行も、読んでいて特別気にならないというか…
場面場面を切り取ると酷過ぎたり気持ち悪かったりするのに、不快感を感じさせないどころか、微笑ましい気持ちにさせてくれる。
この絶妙なバランスがこの漫画の凄いところだと思います。
(私は完全に霧島派に振り切られているので、翔真については特に感情も湧かず感想が書けませんでした)
◆反復読後の小部屋◆※既読推奨
この巻で私の1番好きなシーンは
殺すじゃねえよ
俺の女 血が出てるっつってんだろ
まだ死なせねえからな
あと10ℓは血ィ流してもらわねえと割に合わねえよ
かなり陰惨なシーンなのですが…
吉乃のためにキレる霧島。ヘラっとした笑顔で愛の言葉をペラペラ喋るより、ずっとグッときました。
あと普通に「俺の女」呼ばわり。好き過ぎる。
でも吉乃に怒られると我に返ってヘタレ出す。やっぱり可愛いとしか思えない。
そして今回は、お祖父ちゃんたち(正確には萼は霧島の大伯父ですが)の本心が見え隠れ。
若い頃はめちゃくちゃ仲が良かった蓮二と萼(そして秋目総長?)らしいですが、ヤクザサミット後、萼を見つけた蓮二の複雑な表情。その後の会話は普通なんですが。
そこへいくと、去り際の秋目総長の蓮二を振り返る笑顔も気になる。
極め付けは、最後の方で霧島が翔真に吉乃が東京へ来た理由を話すシーン。
ただ 染井組長が俺と吉乃を結婚させようだなんて
微塵も考えていないことだけは確かでしょうね
え!?じゃあなんで吉乃をわざわざ東京にやったの??
しかも、組織同士の抗争云々とかいう単純な話でもなく、蓮二の個人的な事情とな。霧島が承知の上ってことは、萼も分かっていますよね。知らぬは吉乃(と翔真)だけ…と。
年頃になっても男1人いない孫娘を慮った単なるお節介ではないということで、軽いノリだった物語の始まりに急に重みが出てきました。
萼は萼で霧島のことを
死んだら死んだでそのときだ
って言ってたりするし。
あ、あと、霧島の
…交通事故?
も非常に気になりました。
吉乃のお父さんに何かあるのか…
大丈夫だと思いますが、実は2人は血が繋がっていて「来世は他人がいい」という、ありがちな話だけはナシでお願いしたい。
翔真については『二人は底辺』で語ります。