反復する生き物

好きな本を何回も読んだ感想と考察あれこれ。上部はこれから読む方、下部はもう読んだ方向け。読まずにネタバレのみ希望の方向けでは無いので、ご注意を。

転生したらスライムだった件1巻

転生したらスライムだった件1巻

原作:伏瀬/漫画:川上泰樹/キャラクター原案:みっつばー(シリウスKC)

 

ついにこの漫画を語る番がやってきました…!(自分の匙加減)

先日最新12巻が発売されましたので、そろそろ触れておきたくなりました。

タイトルを見たことはあったので、1巻無料の広告に惹かれて読んだのが運の尽き(?)

結果どハマり。

現代の日本から、異世界にスライムとなって転生した男性の物語という突拍子もない設定なのですが、世界観がうまくミックスされていて非常に上手い作りです。

ライトノベルの方が先にあるようですが、私は絵が好きなので漫画のペースでゆっくり読んでいます。

 

【あらすじ】

大手ゼネコン勤めの独身貴族・三上悟(みかみ・さとる)、37歳。会社の後輩を庇って通り魔に刺殺されてしまう。死を迎えた時、次々に不思議な声が聞こえてきた。

気がつくと異世界でスライムとして転生していてーーー

 

まずは冒頭をと思って書いてみたはいいですが、コレでは良さが伝わりませんね。すみません。

この作品が面白く読める理由は、主人公そのものの魅力、主人公が出会う個性的な仲間たち、そしてブレないストーリーにあると思います。

例の突飛な設定をベースに、壮大に異世界を舞台としますが、行き当たりばったりではなく、主人公が見つけたある目的に沿ってきちんと展開していくのでブレがありません。

『ONE PIECE』に近いかなとも思いますが、主人公は現代日本から来た人間(→スライム)なので、細かなところが俗っぽく、それがまた面白いところです。

表紙を見ると冒険もののファンタジーという感じで(『ドラクエ』的な…)、そのような要素は勿論あるのですが、うまく一風変わった作品に仕上がっていると思います。

 

【感想】

あらすじの直後に、全巻読んだ感じをまとめてしまったので、敢えて1巻だけの感想(そしてなるべくネタバレ無し)というのも少し難しいところですが…

主人公のスライムになってからの名前は、リムル=テンペストといいます。

(その名前になったエピソードは、名付け親が後々も重要になってきそうなのでここでは触れません)

リムルの意識は現代日本の三上悟のままなので、異世界とスライムの肉体に容易に順応などできないと思うのですが…これが、姿は冴えなさそうに見えた三上悟の隠れた才能というか。

年齢37で、この順応力。

そしてコミュお化けです。

実は現代社会でも本当は相当優秀な人だったのではないかと思うのですよね…

ここまで童貞だった(が故に大賢者なのですが)というところと、前髪に隠れて素顔も分からないというところで、冴えない感あるのですが…いや、そもそも大手ゼネコンに就職できているし。勝ち組の独身貴族だったのでは。

それが、この世界でも最下層モンスターのスライム。キャラは完全三枚目の描かれ方なので、実は実力も人徳もあるというところが全く鼻につきません。絶妙なバランスの設定とキャラ付けです。

そんなリムルの目の前に広がる世界と、出会う仲間たち。どこまでも魅力的に広がっていくので、次へ次へと読みたくなります。

想像以上のつかみと面白さでした。

 

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

 

 

◆反復読後の小部屋◆※既読推奨

 

世界観は『ドラクエ』を頭に置きながら読んでいたのでこの表現になるのですが

まさかの最初から竜王かよ(笑)

スライムが竜王と友達になり、その結果スライムは竜王を食うという、『ドラクエ』ではまさにありえない展開。

でも、あまりにも序盤過ぎてこの世界の知識がないので、読者にヴェルドラの脅威は伝わらないですよね。

全部読んでから振り返ると、三上悟にとっても同じだった(先入観0)ので、この展開が成立したのかなと思いました。

そしてこの先も、ヴェルドラにほぼビビることがなかった故、他の何が出てきてもリムルは臆することがありません。

何の前でも誰の前でも本来の自分を失わないので、もともと三上悟が持っている順応力とコミュ力が遺憾無く発揮され、リムルは心強い仲間を従えるようになっていきます。

キャラ付けとつかみの設定が本当に上手いです。「冴えなく見えた独身男が転生したスライム」という、凡庸な主人公がきちんと最強という図式が無理無く描かれていることが、本当に凄いと思います。

主人公がダメダメでイライラすることもないし、かといってご都合主義のつまらなさもない。安心して面白く読めるのがこの漫画の良いところ!

 

そして巻末にある『ヴェルドラのスライム観察日記』。毎巻ありますが、ヴェルドラの目で見たその巻の振り返りです。 

…が。これ、単なるオマケ以上の価値がありますよね。

リムルはこの世界に来たばかりなので、よく分からずに色々やっている面もありますが、ヴェルドラは300年を過ごしているので、当然この世界をよく知っています。

それ故、ヴェルドラの視点で語られる振り返りには、本編では分からなかった(リムルが何も知らないから)背景や事情がきちんと解説されているのです。

しかもヴェルドラ自体も個性的なキャラクターなので、普通に面白い。

この漫画好きな方は一緒に読んでいると思いますが、もし「どうせ同じ内容でしょ?時読むの面倒だしいいやー」と、読んでいない方がいらっしゃいましたら、読むことをお勧めします。

まさに「一粒で二度美味しい」ですので!!