反復する生き物

好きな本を何回も読んだ感想と考察あれこれ。上部はこれから読む方、下部はもう読んだ方向け。読まずにネタバレのみ希望の方向けでは無いので、ご注意を。

土曜ナイトドラマ べしゃり暮らし〜「デジきん」という名キャラクター

土曜ナイトドラマ べしゃり暮らし

(テレビ朝日)

 

1話は流し見していましたが、2話で思いっ切りハマりました。

ドラマ自体にではなく、登場人物のうち2人・お笑いコンビの「デジタルきんぎょ」(略してデジきん)に一気に惹かれたわけです。

で、このような中途半端な書き方になりました。 

原作は、デジきんが初登場したあたりの何話かしか読んでいませんので、ドラマ寄りです。

原作を紹介というには不十分な記述になるかと思いますが、ご了承ください。

 

www.tv-asahi.co.jp

 

【あらすじ】

上妻圭右(間宮祥太朗)は「学園の爆笑王」を自称する高校生だったが、転校してきた元芸人という辻本潤(渡辺大知)にライバル心を燃やすようになる。

文化祭でコンビを組み漫才を披露し、圭右を相方にと考えるようになった潤だが、当の圭右は家庭の事情から芸人となることへは消極的。圭右をその気にさせたい潤は、先輩芸人・デジタルきんぎょ(金本浩史:駿河太郎、藤川則夫:尾上寛之)に引き合わせるが…

 

以上が、デジきん登場のきっかけです。

デジきんは、主人公の圭右に影響を与え、導いていく役回りなのだろうと考えられますが、売れてきているのにコンビ仲は非常に悪いという、彼ら自身にも複雑な事情があり、サイドストーリーとして読むには勿体無いくらいの存在感と物語がある登場人物です。

 

【キャラクター】

◆金本浩史(かねもと・こうじ)演:駿河太郎さん

ボケ担当。

この漫画の登場人物名は、お笑い芸人と野球選手から取っているそうなので、金本知憲さん+千原ジュニアさんが由来です。

原作では長身のイケメン風で、寡黙で渋い雰囲気がありますが、ドラマではファッションも含め、強面のガラ悪い風(笑)。あまり自分のことを話さないのは同じですね。

駿河さんはお父様の笑福亭鶴瓶さん譲りでちょっとタレ目なせいか、漫才のシーンでは強めのボケもコミカルな動きが雰囲気にマッチして、とても愛嬌があります。

3話の回想にて、若気の至りでキレてしまう演技もハマっていますが、芸人として真摯に芸に取り組むようになった今の落ち着きもしっくりきています。

外見と雰囲気が原作とは少し離れた感じですが、ストーリーを壊すようなこともなく、駿河さんの金本というキャラクターとして確立している感じがして、私は好きです。

 

◆藤川則夫(ふじかわ・のりお)演:尾上寛之さん

ツッコミ担当。

藤川球児さん+西川のりおさんが由来とのこと。

原作では背が低く、鼻が上向きの冴えない外見ですので、尾上さんの藤川は大分可愛い感じです(笑)。尾上さんは森田まさのり先生原作の『ROOKIES』で今岡誠を演じていらっしゃいましたが、高校生から大人になっても八重歯がチャーミングな可愛らしい方。漫才中もラジオ番組中も笑顔がとにかく可愛らしい。

コンビでもボケが目立ちやすいものなので、金本の方がインパクトのあるキャラなのかなとは思いますが、圭右に真っ直ぐな激励の言葉をかけたり、多くは語らない金本の思いを言葉にする、グッとくるシーンの中心にいるキャラクターです。

そして実は激情型で熱いものを持っています。

尾上さんの語り口がとても自然で、これまた本当に「藤川則夫」という芸人さんがいるみたいです。

特に3話の、本家爆笑王(通称本爆さん・演:山口祥行さん)に昔話を語るシーンが大好きです。(本爆さんの、若手の話を気さくに聞いてあげる親しい目上の人感。山口さんの演技もとても良いです)

ラジオのCM中は、実際にもきっとこのような感じなのだろうなと思わせられました。

演技が演技でなく見える尾上さんの自然さが本当に素晴らしいです。

 

【芸人を演じる】

これ、とても難しいことだと思うのですよね。

プロフェッショナルを演じるというのはよくあることですが、スポーツや楽器なら代役使ったり手元を見せないとかできますよね。

でも芸人は違う。その人のその体と声でやらないといけない。

高校生の2人はまだ下手くそでもいいと思いますが、デジきんは「お笑いのエリート」と呼ばれる中堅芸人なので、本気の漫才シーンは本当に面白くないといけないわけです。

テンポ・抑揚・間…とただ決められたネタの台本を喋ればいいだけではなく、大事なことがたくさんあります。

 

しかしこのお二人には杞憂でした。

 

舞台直前、圭右の言葉が心に響いた2人は、普段は絶対やらなかったネタ合わせをするのですが、テンションが恐ろしく低く(苦笑)、仕方なく会話しているようにしか見えません。

それが舞台に上がると一転、笑顔で弾けるような喋りを展開します。

同じネタを話しているのにです。

そしてまたそれがなかなか面白い!

コントラストが非常に見事です。

アタマの金本からの振りに答える藤川の相槌が、ネタ合わせでは無表情で「そぉか?」なのですが、舞台では笑顔で「どこがやねん。何がですか?」に変わっているところとか、細かいリアリティも感じました。(これは台本なのか、尾上さんが自然にやっているものなのか…気になります)

 

オフでは複雑な気持ちを抱えながら、オンモードになるとそれを微塵も見せないプロ意識も含め、きっちり演じられている印象を受けました。

しかし、漫才シーンは、楽しみながらもとても緊張して演じられているそうです(笑)

 

あと3話では、デジきんの前身・エプロンパパの漫才シーンもあるのですが、粗雑な漫才です。特に、藤川のツッコミは酷い。早口でただ怒鳴っているだけに聞こえます。

ドラマの藤川はあくまで尾上さんが演じているものなので、エプロンパパの藤川もデジきんの藤川も、現実の尾上さんが同時期に演技しているはずなのですが…

芸たるものを分からずナメて漫才をするエプロンパパと、苦難を乗り越えて芸に真摯に向き合うデジきんとが、きっちり演じ分けられています。

 

原作を知っている方にはドラマは他の映像化作品の類に漏れず賛否両論のようですが、私はこのデジきんがとても好きです。

どちらかというと藤川(尾上さん)押しですが、駿河さんと共に、お二人の演技は素晴らしいと思います。

 

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※原作未読には非推奨※

 

実は、中途半端に興味が湧いた時点で、ウィキペディアを読んでしまっており…

この後、藤川に訪れる悲しい出来事を知っているのです…

ドラマ5話の予告で、その出来事は5話で起きることも分かってしまいました…

本来作品を楽しむなら知るべきではなかったとも思うのですが、私は知って良かったと逆に思いました。既に藤川(そして尾上さん)に思い入れ過ぎていて、恐らくいきなりその展開見たら、受け入れられる気がしません。

でも、知っていればある意味覚悟を持って見ることができそうなので…

それでも間違いなく涙無しでは見られないでしょうけど。