死役所16巻
あずみきし(新潮社・バンチコミックス)
映画観たり全然違う漫画読んだり色々脱線して記事を書きかけていたので、発売から期間が大分空いてしまいましたが…(そして結局ほぼアップできていないという。しかももうすぐ『死役所』は17巻が出てしまうという)
今巻は久しぶりにシ村さん以外の職員さんのルーツ、シラ神さんのお話です。
【各話サブタイトル・主人公】
・白神靜佳
→病死課職員・シラ神。
・ニンジン
→城戸徳夫。老人ホームに住む老人。
・そばにいるよ
→七島俊美。販売員。
→大須賀時和。フリーター。
【感想】
16巻を読むまで、シラ神さんは謝り癖の酷い不自然なキャラと感じて、あまり好きではなかったのですが、連発する「ごめんなさい」にはこのような理由があったのですね。
古い慣習の強い村に育った、聡明で笑顔の綺麗な美人です。
14巻(『死んでからしたい10のこと』)では、ニシ川さんに寝たきりだったのかと思われたり、「親の愛」に思いを巡らせたりして、過去に何があったのかの微かな伏線のようなところがありましたが。
そこから想像していたのとは違いました。
そして、今まで思っていた人物像ともシラ神さんは違っていました。良い意味で。
おっとりと優しく、人を愛せる人でした。
……でも、弱い人でした。
もっと自分に自信があって愛する人を信じられたら、幸せになれたのではないかと思うと、残念でなりません。
そして、この村に、この家に生まれなかったら…と。幸せになって欲しかった。
でも、全然違う環境に生まれていたら、愛する人には会えなかったのですよね。彼に出会えたことが、シラ神さんにとって人生で1番幸せなことだったと思うから、また難しいところです。
しかし今巻は、思うところがいっぱいのシラ神さんのお話の他、次の話もその次の話も、面白かったです!
(2話目はほっこり、3話目はコワい笑)
1冊まるまる楽しめた巻でした。
◆反復読後の小部屋◆※既読推奨
シラ神さんのような人が犯した死刑になるような犯罪とはどのようなものなのか、最初は想像がつきませんでした。
尊属殺人だったのですね。14巻(『死んでからしたい10のこと』)で少し分かった気もしましたが。
殺人を犯した時の描写から、統合失調症を患っていたと思われます。
裁判でも刑事責任が問われたようですし、十分に反省の色が見える態度だったと思うのですが…やはりメッタ刺しの尊属殺人は残忍かつ非人道的ということで死刑になったということなのでしょう。殺人に至った背景など分かりませんしね。母も祖母もシラ神さんを害していたわけではないですし…
この話は本当にやり切れないです。
かーさまには別れでもえって言われたども
おら絶対やんだって…
考えられねって…
おめが過去に何してでも一緒にいでがったがら…
幼なじみで愛し合って結婚した2人。靜佳は徹也に自分が知らずに父を死なせたことを知られたくなく、徹也は全部知っていても靜佳が好きだから知らないふりをした。靜佳は徹也に知られて、徹也を失うことを最も恐れて精神を病んだ訳です。
……このすれ違い!!!
2人でこの靜佳の過去に向き合っていたら、違う未来があったかもと思うと本当にやり切れないのです。
取り返しのつかない事件が起きてから、お互いの気持ちを知った2人。
シラ神さんは徹也の気持ちを知っているだろうに…
…そういやシラ紙さん
現世に会いたい人はいないって前に言ってたな
徹也に会いたいと思っていないのですね。…合わせる顔が無いと思っているのか。
しかしそしてここで気になるのが!!
↓上記ハヤシくんの発言の続き
言ってたね
んで ニシ川さんもいないって
まあね
シ村さんは?
そういう人いるんすか?
……
ええ
まあ…
そっか
ここにいる楽しみがあっていいすね
ハヤシくんもいるって言ってたっけ?
はい 俺は
姉貴
と
と?
…何でもないす
じゃ 俺漫画探ししないといけないんで
このやり取り、考えさせられる!!
シ村さんは多分幸子さんだと思うのですが、ハヤシくんはお姉さん以外に誰!?
全然思いつかないのですが…こんなに読み込んでいるのに…
今後の展開を楽しみにしています…
あずみきし先生なので、見事なストーリーをご用意されていることでしょうから!
今巻は、あと2話も面白かったのですが、シラ神さんでお腹いっぱいなのでこの辺で。
17巻は来月発売のようです!!