反復する生き物

基本的には好きな本を何回も読んだ感想と考察あれこれ(ときどき別コンテンツあり)。上部はこれから読む方、下部はもう読んだ方向け。読まずにネタバレのみ希望の方向けでは無いので、ご注意を。

来世は他人がいい1巻

来世は他人がいい1巻

小西明日翔(講談社・アフタヌーンKC)

 

違う漫画のネタバレブログを見ていたら、偶然見つけまして。

タイトルになんとなく惹かれて、ポイントもあったし電子書籍を購入。

 

「ヤクザの家の孫同士のラブストーリー」的な説明等から、ヤクザの家に生まれつつも普通の女の子が、危ない男の時折見せる素顔にキュンときて好きになっていく…みたいなありがちなのを想像していましたが、全く違いました。

 

【あらすじ】

大阪のヤクザ染井組の組長の孫娘・染井吉乃(そめい・よしの)は、祖父・蓮二の強い勧めで、東京のヤクザ深山一家の孫・深山霧島(みやま・きりしま)の婚約者となり、東京へ。眉目秀麗で優しい霧島に安堵する吉乃だったが、実はとんでもない人間性を秘めていて…

 

…よくあるさわりのあらすじ紹介としては、こんなところでしょうか。

 

ここで怖気づいて大阪に帰っては物語にならないので、当然残留なのですが。

吉乃も吉乃で、想像の斜め上をいく行動を取った挙げ句、東京に残留宣言。

ここから、「基本的には」普通の女子高生・吉乃と「とんでもない」霧島との生活がリスタート、物語も本格的にスタートです。

そして2人はヤクザの家の子達なので、周囲でヤクザならではの事件が起きます。そこに首を突っ込むんだろうなー…というところで1巻は終わりです。

 

【感想】

面白くなるのは巻後半から。 

暴力シーンは結構陰惨で、主役2人の本性にドン引きする方もいるようですが、そこを読んでも面白いと感じる人は、絶対ハマると思います(勿論私もその1人です)。

そういう人が多いので、ヒットしているということなのでしょうが。

そこを乗り越えると、2人の日常の一コマ一コマは結構笑えて可愛いです。

霧島は本性が出たシーンの表情怖いし、その後も掴みにくい謎なキャラですが、ある意味動じない男前キャラの吉乃が主人公なので、絡んでいると少しずつ人間らしく見えてきます。

今後そんな霧島をもっと見たいと思わせる、その作りが秀逸だと思いました。

 

来世は他人がいい(1) (アフタヌーンコミックス)

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◆反復読後の小部屋◆※既読推奨

実は初読では、吉乃に飽きてきた霧島のシーンは不気味過ぎて、キャラ受け入れられないなー…とか思ったり、その後の笑顔もどうも嘘くさく見えて、吉乃と一緒に本心を疑ったりしていたのですが。

第3話サブタイトルの「誠意を見せたい。あわよくば少し好きになってほしい」って。

吉乃への気持ちは本気ですよね!?

そう思ったらもう可愛いとしか思えない。

一度可愛いと思うと不思議なもの。陰惨で不気味で、受け入れられないと思っていたシーンが面白く感じて読み返したくなる。

これを吉乃、持ち前のプライドで180度ひっくり返して惚れさせるのだから天晴れ。

あとは、まだまだ物語の導入部だと思うので、気になる伏線も特には無く、そこまでアレコレと考えませんでした。

気になるとしたら…

行き着くとこまで行ったら あの家だっただけだよ

霧島の生い立ち、過去や経緯は謎。これからストーリーの鍵となるのでしょうか…