べしゃり暮らし
森田まさのり(集英社・ジャンプコミックス)
ドラマからこの名作に入った私ですが、全巻揃えるには先立つものが必要…ということで、揃えて繰り返し読めるようになったのは、今更ながらつい先日のこと。
ドラマはドラマで楽しみましたし、つまみ食いのようにちょいちょい読んではいましたが、揃えて読破すると、まさに圧巻の一言です。
もともと現実世界でもお笑い好き、コントより漫才が好きな私としては、世界に引き込まれるにつれて、数々の魅力的な芸人のキャラやエピソードから、それぞれのファンになってしまった気分でした。
…というわけで。
完全に自己満足のための「『べしゃり暮らし』好きな芸人ランキング」です。
全巻読んでのランキングですので、既読推奨です。
もう読んだ方にとって、お気に入りの登場人物の見方の比較や読み返す時の違った視点になれば幸いです。
ちなみに
デジタルきんぎょ→神枠
べしゃり暮らし→主人公枠
のため、以上の2組は除きます。
1位 げんこつロデオ
岩隈将大(いわくま・まさひろ)&内川修一(うちかわ・しゅういち)
作中の実力・キャラクター・エピソード、どれをとっても文句無し。
最初はアッパーで嫌味なコンビとしか思えませんでしたが、自分たちを一番だと信じて突っ走る、実はひたむきな2人。圭右と潤にとっては、同期1番の好敵手です。
岩隈のほうが見た目もキャラも強くて前面に出てくるところは基本最後まで変わらないのですが、岩隈を「クサレ縁」「友達じゃない」「ビジネスパートナー」という、クールでポーカーフェイスの内川が、実はいつも岩隈思い。激情型で男気があって、迷ったり折れたりしそうになることもある岩隈を、大事なところでずっと支えてきたのは内川でした。
元のコンビ名は「シュウちゃんとマーくん」。シュウちゃんが先。小学生の頃から、「修ちゃん」「マーくん」とプライベートでもずっと呼び合っている2人が、仲良くない訳ないです。
そして、小学生の頃は、目立ちたがり屋の岩隈をクールにツッコむ内川でしたが、芸人になってからは逆。
最終的にべしゃり暮らしもボケとツッコミが入れ替わりますが、的確なボケを強烈なツッコミで爆発させるというスタイルをいち早く確立させてきたのがこの2人なのかなと。
というわけで、原作ではめちゃくちゃ格好良いのですが、ドラマではYCAのくだりまでしかないので、酷いキャラでした。原作を読んでげんこつロデオ好きになったら、その部分のドラマは見られたものではありません。ビジュアル的にも遠いし、これにはガッカリです。
最後に。
2人の名前は、楽天のエースと横浜の主軸(笑)。ちょうど連載時はこの時代だったんですね。
2位 フリーバイト
能見康友(のうみ・やすとも)&野原俊介(のはら・しゅんすけ)
ゴリゴリ阪神。
この2人は、物語に登場する若手の中では珍しく、養成所で出会ってコンビを組んだ2人です。
そこまで登場も多くなく、目立った活躍はないものの、コンビを組むまでのそれぞれのエピソードが秀逸。応援せずにはいられない2人ということで、上位にきます。
能見は、演じる才能はピカ一なのにネタを作れずパクりを行ってしまうピン芸人、野原は、親友同士のトリオから唯一漫才志向を持ってしまったことにより脱退、利害が一致して組むことになるわけですが…特に野原のトリオ・キューブリック最後の舞台が非常に良いです。
そして登場はそこで終わらず、YCAの同期の活躍を自分たちの刺激として受け止めながら、作品内では解説のような役割も果たしつつ、最後まで登場します。べしゃり暮らしにとっては、清々しい同期の戦友です。
がんばれ、フリーバイト。
3位 ロッテンマイヤーズ
炭谷(すみたに)&涌井(わくい)
西武ライオンズバッテリーコンビ。下の名前は何だろう!!(笑)
私の中ではもう神の域であるデジきんのお友達枠ということで3位です。
NMCの決勝にも残り、そこそこ売れている中堅芸人という位置付けですが、お茶の間の分かりやすいウケを狙うバラエティ番組の「ゴッデス」では、必ずコント。少し気難しいところもある炭谷が、コテコテの大仏メイクで登場するシーンもあります。売れてきているのに、クレバーに仕事を切り分けるプロ精神が伝わってきます。
温厚で人当たりの良いワックィーと気難しく口の悪い炭谷。2人とも基本的には「いい奴」で、私は好きです。
4位 るのあーる
上原裕也(うえはら・ゆうや)&梵健太(そよぎ・けんた)
巨人と広島。
最初は全然好きじゃなかったですね。
梵くんが『ROOKIES』の赤星に激似なので、見た目は好ましく多少思っていたくらいで。
ネタは大したことないけど、たまたまハマって調子こいてるコンビにしか思えなくて、特に偉そうな上原は話になりません。
でしたが。
梵くんは不幸な事故で両親を亡くして、一生懸命妹を育てながら芸人を続ける苦労人。性格も真面目なので、生きていくために姑息なこともやっていたりするのですが、それが悪には思えないのです。
設定では上原がイケメン扱いなので、パッとしない梵くんは日陰のような存在にも見えますが、実は誰もが認める天性の天然ボケの持ち主。先輩芸人が本人を激励するためにそのことに気付かせるのですが、奢ることなく自分の糧に変えて前を向き始めてから、ちょうど上原にも思うところがあったらしく、るのあーるは一気に面白くなります。
べしゃり暮らしたちの身近な先輩であり、少し先をいく好敵手の位置付けで、作中では最後まで大事な役割を担い続けます。
でも、はるかちゃんは、上原ではなくマーくんが良いと思うよ。
5位 サボテンミサイル
千賀(せんが)&菊池(きくち)
ここはニップレスと迷いましたが、芸人を見るファン目線でいくと、多分こちらを好きだろうと思ったので。
あと、普通にニップレスは主人公たちに近過ぎるし、ヒロインの位置付けともいえるので、対象外かな、と。
サボテンミサイルは、20巻までまともに出てきませんが、作中の若手の中では文句無しの実力No.1でしょう。
千賀さんはお人好し、菊池は嫌な奴という感じですが、NMC2連覇するくらいの芸人です。厳しい意識持っていて当然。
「第二部」が存在するなら、エピソードや背景も見てみたい登場人物No.1なので、五本の指に数えました。
あ、あと、下の名前も知りたい(笑)
千賀というあたり、19巻までの連載当時には名前は決まっていなかったのでしょうと思われますが…拓也&広輔あたりですかね(笑)
他名前出るのは、見切り発車・ぷりんすくらいでしょうか。どちらも登場人物として好きではないので、ベスト5ということで、終わりたいと思います。